一番好きなのは、なだらかで景色のいい稜線歩きですが、
登り下りで行ったら、登りの方が断然好きです。そんな私が一昨年から少しだけハマっている「急登シリーズ」。
奥多摩では、本仁田山の大休場尾根、三頭山のヌカザス尾根、御前山の大ブナ尾根と登って、一番の難所と言われる
鷹ノ巣山の稲村岩尾根をずっと登りたかったのですが、崩落による通行止めのため先送りに。
いつまで経っても復旧しそうもないので、今回は峰谷から登り、水根沢林道を下りるコースを歩いてきました。
前日のてんくらでは、風速13〜16メートル予報だったこの日。
明け方家を揺らす風の音で目覚め中止の2文字が頭をよぎるも、とりあえず待ち合わせの奥多摩駅へ。
駅周辺はそんなに風は吹いていなくて、少し安心しつつバスに乗りました。
峰谷行きの始発バスに乗ったのは、20人あまり、殆どの方が奥多摩湖で降りて、終点の峰谷下車は6人。
そのうちお二人が七ツ石〜雲取山のコースへ。
どうやら私たちを含む4人が、鷹ノ巣山を目指しているようです。
ゆっくり用意をして一番後方からスタート。
車道スタートの今回、途中、左に入る分岐を見落として、ずっと車道歩きで登山口へ。
先を歩いていたはずのソロの男性が後から到着、登山道はものすごく歩きにくかったそうで、
見落として良かったのかも‥・とポジティブに考え出発。
まずは、避難小屋を目指し浅間尾根を登ります。
この尾根、急登ではないのですが、あまり平なところもなく延々と直登が続く感じでした。
登りやすいけれど疲れる・・。
途中、冬枯れの木々の向こうに、石尾根や富士山、南アルプスが垣間見え、そんな景色に励まされ、
段々と近づいてくる鷹ノ巣山に背中を押されて避難小屋到着。1000メートル以上登ってきたことに。
途中久しぶりにふくらはぎの盛大な足つりに襲われ、68番を服用しました。
避難小屋は見学にとどめ、石尾根を鷹ノ巣山へ。雲取山から奥多摩駅まで続く尾根として有名な石尾根を初めて歩きました。
途中、冠雪した南アルプスの山々が姿を表して、心揺さぶられます。何度も振り返ってしまうくらい。いつもネットで見ていた、見晴らしのいい尾根と青い空が目の前に広がっていて、終始頬が緩みっぱなし。この時季は人も少なく、独り占め感満載。(2人ですけどね)風の音、鳥の囀りだけが聞こえる稜線を歩く贅沢よ! 稜線の向こうの富士山も堂々としていて素敵。やはり雪があると有り難さ5割り増し!
奥多摩は奥多摩三山、川苔山、本仁山くらいしか知らなかった私、雲取から連なる山に来たのは初めてのことで、その雄大さに感動してました。
標高1700メートルになると、やはり見える景色の広がりやスケールが違うようです。
鷹ノ巣山山頂は、とても開放感のある場所で休憩にぴったり。
南側が開けていて、登ったことのある大岳山や御前山、山梨の山などが眼下に見渡せます。そして、その向こうには富士山や南アルプス。
そんなに風もなく、ゆっくりランチタイム。至福の時でした。
5人くらいしかおらず、他の方はソロだったので、みなさん静かに山と対峙している感じでした。
そして、いよいよ苦手な下り。
同行者は「頂上に着くと、今日は終わり。あとは自動で下るだけ」というのですが、
私は反対「さ、これからいよいよ試練が訪れる」と身構えます。ほんと苦手です。
さらに今回は「登山道一部崩落 迂回路あり」情報を仕入れていたので、ドキドキです。
実際、水根沢方面通行厳重注意なんて張り紙も見つけて、一気に緊張感が。。。
榧ノ木尾根にしておけば良かった…と、テンションだだ下がりの私。
そして、地図ではわからなかったのですが、水根沢コースは、沢の高い位置にトラバースの登山道が付けられていて、かつそれがとても狭い、さらに落ち葉に覆われてエッジが不明瞭…落ちないように注意が必要でした。
そして、苦手の丸太橋が出てくる出てくる!
「なんで来てしまったんだろう」「怪我なく下りられますように」「もういやだ」とうネガティブワードが渦巻く頭の中。
が、歩いているうちに自分の変化に気づきました。
いつもなら、足元が不安定でドキドキするのに、しっかり歩いてる!
丸太橋も、今までより怖くない!
バランスの問題?
真面目に水泳をしているおかげで体幹が少し強くなったから?
途中から自分の変化に驚き、少しだけ嬉しくなることに。
少しずつ、ほんの少しずつ前に進めているようです。
途中トラバースの道が全面凍っていて、補助ロープを使いましたが、
基本サクサクと歩けました。
恐れていた崩落地点は、下山地点の少し手前にあり、高巻きの迂回路が設えてありましが、
全くもって怖いところも危険なところもなし。
まさしく杞憂でした。
が、ここで高巻を下りて来たところに林道があったので、疑問も持たず進んでしまう失敗を・・・。
本来は元の道に戻り右側に行かなくては行けなかったのですが、後の祭り。
余計に30分以上歩く羽目に・・・。
道がはっきり目の前にあってもちずは確かめないと、と反省。
下山後YAMAPを見ると、1500メートル以上登っていたらしい。
おー、日帰りの新記録!
下山後バス停で、お汁粉を飲んだりしてゆっくりバスを待ちました。
急登好きを自認するなら、西黒尾根と黒戸尾根は登っておかないと。
そう思い始めた今日この頃です。
本日も楽しき一日でした。