本日、リクシルカップ決勝の東芝VSパナソニックの試合が秩父宮で行われました。
リーグ戦は17-17の引き分け、とてもしまった良い試合だったこのカード。
今回もパナソニックのディフェンスの強さと手堅さ、
東芝の推進力と激しさがぶつかり合う白熱のゲームでした。
この2チームはほかのチームとスピードと展開力が違う気がします、素人目にも。
一時は-27-14とほとんどダブルスコアでパナソニックがが優位にたっていました。
しかし東芝が渾身のゲインを繰り返し、
パナソニック27-東芝21のスコアで迎えたホーンが響いた後のロスタイム。
ラストワンプレー、
東芝が全身全霊の力と、まるで魂まで込めるようにボールを運び、
最後はキックからグラウンディング劇的なトライでした!
手に汗握るような一連の動きに場内は自ずと総立ちに。
クライマックスにぴったりのドラマチックさ。
まさに“書けない”筋書のドラマでした。
狂喜乱舞の東芝選手と、がっくり肩をおたしたり、立ち上がれないパナの選手。
そして…2か月半に渡るシーズンの最後の試合の、最後のコンバージョン。
それも決めれば逆転優勝を手にできる…。
待っているのは優勝という天国か、
それとも準優勝という、優勝チームを目の前にしてそこに居続けなければいけない地獄か…。
フランソワ・ステインの蹴った楕円のボールはHポールを反れて客席に吸い込れ、
その瞬間にパナソニックの優勝が決まりました。
スポーツに「たられば」はない、ということはわかっていますが、
あそこで決めていたら…そう思わずにはいられない…。
フランソワ・ステインの肩にかかった重圧のことを思い、
スポーツの公平さ、ある種の残酷さについて考えずにはいられませんでした。
昨年の11月13日の開幕戦から本日の決勝まで、8日間通った秩父宮。
どうしてこんなに嵌ったのかなと考えたのですが、
ラグビー場に漂う、どことなくのどかな空気が好きだったのかなという考えに至りました。
ラグビーは密集することがけっこうあり、
中で何が起きているかは、素人にはわかりにくいことがままあります。
生よりむしろテレビで観戦したほうが、試合展開や細かいプレーよくわかる状態です。
解説もありますし。
それでも生観戦が好きなのは…生のぶつかり合いの迫力じるという側面はありますが、
それよりもなによりも、じっくりと試合を見られる環境をとても気に入っているだと思います。
ずっと歌っていたり、はねていたりする人たちがいないので、
ゆっくりと、でも真剣に勝負を観戦できるんですね。
応援するというよりは、見ることが主体のラグビー。
そんな空気が漂う秩父宮の客席は、私にはとても居心地のいい空間でした。
ついつい通いたくなるような。
そんな静かな熱い観戦をずっと続けてきて、
最後に訪れた観客総立ちのドラマチックなクライマックスの興奮。
スポーツが見せてくれるドラマは、
本当に素敵です。
そういえば、近くの席にこの方がいらっしゃいました。
プレミアリーグへの移籍が決まった、アマナキ・レレイ・マフィ選手。
とても爽やかに優しく笑う人でした。
そしてそのお隣には、サンウルブズのHCマーク・ハメット氏もいらっしゃいました。
ワンシーズン通してみた私のファースト・トップリーグは本日終了。
来週は日本選手権です。